アタシがアンタを好きになるなんて絶対にあり得ない


「付き合ってくれる?」

文化祭の終わった日、天澄に呼び出され、そう言われた。告白、ではないな…これは。そんな気がした。勘だったけれど。

「ほら、一緒に買い物したりしたでしょ?だから……一緒にご飯とか、食べに行きたいなぁ、なんて」

あぁ、これは『食事に』付き合ってってことか。そう、悟る。だから、

「良いよ。付き合ってあげる」

そう答えた。きっとこの男は告白してきた相手や、紛らわしい言い方を使って勘違いした相手とかを喰い物にしてきたのだろう。そう思うと、なんだかむかむかしてきた。

食事は普通に、ファミレスで食べるだけだった。「ボクが誘ったんだし、奢るよ」とか言ったので、遠慮なく奢ってもらう事にした。

良いもの選んでやろうとか思ったけれど、なけなしの罪悪感が首をもたげたので、目についたオムハヤシを頼んだ。ふわふわのオムライスとハヤシライスのルーがかかったやつ。

思った以上に美味しくて、食べるのに夢中になってしまった。滅多に外食なんてしないし。はっと我に返って天澄の方を見ると、どこか愛おしそうなものを見るような、優しい表情をしていた。

目が合うと、にこ、と微笑んで

「デザートとか頼んでも良いよ」

と言った。

「良いよ。キョーミないし、流石にそこまで入らない」

少し、嘘だ。少し気になったデザートがあった。苺と生クリームがたっぷりの、期間限定のパフェ。

でも、奢ってもらう立場で頼むわけにもいかないし、借りを作ったらそれを盾に色々面倒なことが起こりそう。そんな気がした。

「そう?じゃあボク、これ頼むね」

と言って指したのは、アタシが気になっていたパフェだった。

「ちょっと待ちな」

やっぱり頼むような、そんな気はしてたんだ。今までだったらあんまり気にしないでそれを流していただろうけど。

「アンタ、甘いの苦手だろ。頼まなくて良い」

思わず、そう言ってしまった。