『久々に飲もうって連絡してきたと思ったら…。今日も随分と荒れてるな。』
ワイシャツの裾を捲りながら、翔は少し苦笑い気味でそう言った。
『翔は今日も全然飲まないね』
『いやいや、朝まで付き合うためにセーブしながら飲んでんだよ。』
そう言って翔は笑いながら『ちゃんと飲んでます』とグラスに三分の一程残って居たビールを一気に飲み干した。
私と翔は幼馴染みで、もう覚えて居ない頃からの付き合い。
同じマンションで、幼稚園、小中高と一緒で。
さすがに大学は別々になったけれどそれでも良く飲みに行ったりみんなで集まったりはしていた。
社会人になった今では、流石にその頃ほど頻繁に会ったりする事も無いし連絡を取り合う事も無いけれど。
気兼ねなく誘えて、久々に会っても全く気を遣わずに、何かある度に文句を言いながらも結局朝まで付き合ってくれる友達なんて。
まぢで翔くらいしか居ないと思う。
もちろん友達は居るけれど、みんなそれぞれ社会人になれば彼氏やら仕事やら…
早い子なんか結婚して子供までいる子も居るしなかなか昔の様にはいかない訳で。