白でもなく黒でもなく






『ふーん。』


そう言うと、突然歩くのを辞めてその場に立ち止まった翔。






『どした?気持ち悪い?』

『…じゃあ結婚するか』

『え??なに??』




最初、少し離れた距離でボソッと呟く様に言った翔の言葉はうまく聞き取れなかった。







『俺とするか?結婚』

『は?』








次はちゃんと聞こえたその言葉は私がいくら酔っ払っていても聞き間違いではない、はず。







ずっとずっと幼馴染みで、親友だった翔からの告白をすっ飛ばした…と言うかその他諸々の色々な何かをすっ飛ばした突然のプロポーズは。

私が失恋して一晩中飲み明かした明け方の駅のホームで、ふたりとも酔っ払いで。




一ミリもロマンチックのかけらも無ければ、
全然現実味も無いなんとも間抜けな物だった。