二人並んで境内に座ると、大和さんは懐から包みを取り出した。


ガサガサという音がして、開くとそこには…。


「団子ですか!」
「美味しそうなので、買ってきました。」

そう言って、私に一本を差し出した。

「ありがとうございます。」


団子にはたっぷりのみたらしがかかっている。

一口。

「美味しいです!」
「それならよかったです。」


美味しく食べている姿が見るのが好きなので、と言葉を続けた。   

その言葉に、私は一気に顔を真っ赤に染めた。


そんな私を見て、大和さんは悪戯そうに笑う。


「や、大和さんも見てないで食べてください。」

なんだか、恥ずかしくなって大和さんの手にもう一本の団子を押し付けた。

「いただきます。」

少し残念そうにして、大和さんはその団子を受けとった。



──こんな日々がずっと続けばいいのにな。

ふと、そう思う。


けれど、そんな日々がずっと続くことはない。大和さんと過ごせる時間は残り少しだから。

「…どうしました?」

気がつくと大和さんが不思議そうに私を見つめている。

「いえ、何でもないんです。」


もう一口。団子をそっと口に入れた。


団子は、少しほろ苦く感じた。