その花びらを手のひらで包むと、ぬくもりを感じた。
「それは、彼があなたに送ったものですから。」
「…え?」
私が驚いて聞き返そうとすると、少女は悪戯っぽく笑った。
─カレガアナタニオクッタモノデスカラ
もう、頭の中がパニック状態で何にも理解できない。
ただ、私は目をぱちくりさせただけだった。
「あなたが、私のことも大和さんのこともこの神社のことも思い出したみたいに。」
──大和さんが生まれ変わった彼も、思い出しているんじゃないでしょうか?
その言葉を聞くや否や、私は駆け出していた。
勢いよく残りの階段をのぼっていく。
もしかして、もしかして。
大和さんは───
視界が開けて、大きな桜の樹が見える。
その奥の境内、桜の樹。
どこを見回しても、誰もいない。
人影も見当たらない。
「…何だ。」
キュッと桜の花びらを包む拳を握った。
大和さん。いると思ったのにな。
「小梅さん、遅かったですね。」
不意に、懐かしい声がした。
優しくて、温かくて、綺麗な声。
その───声は。
おずおずと後ろを振り向くとそこには──
「それは、彼があなたに送ったものですから。」
「…え?」
私が驚いて聞き返そうとすると、少女は悪戯っぽく笑った。
─カレガアナタニオクッタモノデスカラ
もう、頭の中がパニック状態で何にも理解できない。
ただ、私は目をぱちくりさせただけだった。
「あなたが、私のことも大和さんのこともこの神社のことも思い出したみたいに。」
──大和さんが生まれ変わった彼も、思い出しているんじゃないでしょうか?
その言葉を聞くや否や、私は駆け出していた。
勢いよく残りの階段をのぼっていく。
もしかして、もしかして。
大和さんは───
視界が開けて、大きな桜の樹が見える。
その奥の境内、桜の樹。
どこを見回しても、誰もいない。
人影も見当たらない。
「…何だ。」
キュッと桜の花びらを包む拳を握った。
大和さん。いると思ったのにな。
「小梅さん、遅かったですね。」
不意に、懐かしい声がした。
優しくて、温かくて、綺麗な声。
その───声は。
おずおずと後ろを振り向くとそこには──



