まさに一瞬の出来事だった。

床を突き破り、天井をも貫くほどの巨大な火柱が立ち昇り、瞬時にして私達のいる部屋を紅蓮に染め上げた!

炎に包まれて狂ったように転げ回る兵士達。

逃げようにも、ドアを開けた先の廊下からも炎が飛び込んでくる!

部屋の中はあっという間に真紅の世界と化し、誰一人としてその場から逃げる術はなくなった。

そんな中。

「……!?」

廊下をゆっくりと歩いて、誰かがこの部屋に近づいてくる。

…私とななみちゃんにはわかった。

これ程の炎を操れる者は一人しかいない。

「小山田君!」

涙を浮かべて叫ぶと。






「…遅くなってすまない」




覚醒者3号…小山田哲平は、いつもの冷静な表情で呟いた。