「惜しい事をしたですって!?」

火がついたように。

黛さんは椅子から身を乗り出して叫んだ。

兵士達に取り押さえられなければ、今にも大江に襲い掛かっていきそうだった。

「白々しい事を言わないでっ!あんたが!あんたが命じて小山田君を殺させたんでしょう!!?」

「……フン」

大江は黛さんの怒声を気にも留めず、ゆっくりと私のそばへと歩み寄ってきた。

その片手には、フォーク。

先程まで彼が食事に使っていたものだ。

「黛くん…もう一度機関に戻ってこないかね?君の能力は非常に貴重だ。ここで首を縦に振れば…私は寛大だ。これまでの事は忘れてやってもいい」

「ふざけんじゃないわよ!誰があんたなんか!」

尚も叫ぶ黛さん。

すると。

「!!!?」

あろう事か。

大江は私の太ももに、手にしたフォークを突き刺した!