辛うじて息はあった。

運よく、崩落したコンクリート片の隙間に滑り込み、圧死は免れたらしい。

矢崎や量産型達はそうはいかなかったらしいが。

…黛さんとななみは、うまく脱出できただろうか。

そんな事を考えながら。

「う…ぐ…」

ナイフで刺された傷の痛みにうめいた。

出血が激しい。

意識を失うのも時間の問題だ。

…最後まで同行できなくてすまない、黛さん、ななみ。

後は…頼む…。








ゆっくりと目を閉じ、そのまま眠りにつこうとした時だった。