両手を背後に回されて手錠をかけられ、その上革のベルトでギチギチに縛られて。

これでもかというくらいきつく拘束されて、私達はアサルトライフルを突きつけられたまま議事堂内へと連行された。

たった二人の若い娘に、これ程の厳重な警備はないんじゃないだろうか。

そう思えるほどの警戒ぶり。

いかに機関の人間が、覚醒者という存在を危険視しているかが窺える。

議事堂内のエレベーターに乗せられる。

…そして降りた先には。

「!」

ごく静かに流れるクラシック。

静々と料理を運ぶ給仕。

一人が食事をするには不必要に大きなテーブル。

そのテーブルの上には白いテーブルクロスがかけられ、金色の燭台、そして繊細な盛り付けを施された料理が並ぶ。

そのテーブルの一番向こう側に、ダークのスーツに身を包んだ、五十前くらいの男が座っていた。