こんな兵士達が待ち伏せしている。

そして私達の素性を知っている。

どうやら黛さんの読みは当たりらしい。

信じ難いことだけど、こここそが機関の本部。

この国の中枢こそが、機関の本拠地だったという訳だ。

「……!」

私はジリ…と歩を進めようとして。

「駄目よ、ななみちゃん」

黛さんに制止された。

「ここで戦っても勝ち目はないわ…私も瞬間移動を使うには精神力を回復させる必要がある…今戦っても蜂の巣にされるだけよ」

「……っ」

悔しい。

歯噛みする。

「よし!」

部隊の指揮官らしき男が指示を出した。

「覚醒者どもを拘束!そのまま『ボス』の所へ連行しろ」