かつて機関に所属していた私や黛さんさえも、機関の本部に来るのは初めての事だ。

それだけに絶句する。

機関本部へと続くといわれる地下通路。

その終着点に、何故この国の政(まつりごと)の中枢、国会議事堂が存在しているのか。

「…地図が…あのCD-ROMが…間違っていた…?」

いや、間違っていたのではなく、そもそもが私達を騙す為のものだったのかもしれない。

私達をおびき寄せ、葬り去る為の罠…。

そう考えていた私に。

「違うわ、ななみちゃん」

黛さんが言った。

「見ての通りよ…目の前にあるあの建物…あれが機関の本部よ」