何とか安全な場所に脱出する事ができた。

振り向いて確認する。

…追っ手はない。

量産型達は、あの崩落に巻き込まれて圧死したらしい。

矢崎も同様だ。

そして…恐らくは小山田君も…。

唇を噛む私を。

「!」

ペシッと。

ななみちゃんが叩いた。

「…!…!…!!…」

何度も、何度も。

その瞳に大粒の涙を浮かべ、ななみちゃんは私を平手で叩く。

「ごめん…ごめんね、ななみちゃん」

私も、涙は堪え切れなかった。

どうして、小山田君にまで手を伸ばせなかったのか。

どうして三人一緒に瞬間移動する事ができなかったのか。

全ては、私の落ち度だった…。