「あ」

突然、私の目の前が遮られた。

私を抱きしめる哲平さん。

そして。

「無事か…ななみ…?」

私を抱きしめたまま、哲平さんは呟いた。

まるでハリネズミみたいに。

彼の全身にはナイフが突き立てられている。

鍔元まで。

深々と突き刺さったナイフ。

完全に臓器まで達する深さだ。

「は…ははははははははっ!やった!やりやがった!」

どこに隠れていたのか、姿を現した矢崎が嘲り笑う。

「お、小山田君ッッ!!!!」

悲痛な叫び声をあげる黛さん。

その黛さんに向かって。

「瞬間移動だ!」

哲平さんは叫ぶと同時に、左手から極大の火球を撃ち放った!!