「何の為に貴女を戦闘に参加させていないと思うの!」

「…!」

その言葉で悟る。

そうだ。

私さえ生きていれば、哲平さんは瀕死の重傷を負っても傷を癒す事ができる。

逆に言えば、私が死ねばそれまでだ。

致命傷を受けてもヒーリングを使える者は私以外にいない。

…戦いの最中、一瞬。

「!」

哲平さんが私の方を見たように感じた。

『お前は出るな。切り札』

その視線が、そう語ったように見えた。

「……っ……」

膝から、ヘナヘナと崩れ落ちる。

その頬に。

「あ…」

雫が伝っている事に、私は気づいた。

涙…?

感情も、表情もなくした筈の私が、涙…?