見ていられない。

「……!」

私は壁際から飛び出そうとして。

「待ちなさい!」

黛さんに引き止められた。

「ななみちゃんが出て行って何になるっていうの!」

「哲平さん…殺される…私が…私が…!」

いてもたってもいられず口にした言葉に。

「貴女が行ってもあいつらのスピードにはついていけないわ!かえって小山田君の足手纏いになるの!」

黛さんは、冷酷なほど冷静に戦況を分析していた。

…飛び道具がある哲平さんだからこそ、何とか量産型達の攻撃に牽制していられるのだ。

接近して触れなければ攻撃できない私は、彼らのナイフの恰好の的でしかない。

だけど。

「なら…身を呈して…哲平さんの傷の回復を…」

「馬鹿!」

黛さんは私を怒鳴った。