矢崎の言葉に、俺は憤った。

「化け物だと…同じ化け物だと…?」

俺は壁際から歩み出て、姿を見せる。

「ふざけるな…!俺達は好きでこんな能力を得た訳じゃない!」

平凡で、何の刺激もなくて。

でも、そんな退屈な日常が宝物だった。

だけど突然介入してきた機関によって、その宝物は奪われた。

殺し、殺され、追われ、脅える異常な日々に引きずり込まれた。

望みもしていないのに、だ。

「そんなお前らに…化け物扱いされる謂れはない」

拳に宿った炎が、更に勢いを増した。

「たとえ人ならざる能力をもった化け物に成り下がっても…俺達は人間として生きる…!」

それは改めて口にした、機関への宣戦布告だった。