それに。

私は壁に隠れながら見る。

あそこに立っている5人は、全員男性だった。

1号は女性。

あの5人は、確実に1号とは別人だ。

「なら、同じ能力を持っている覚醒者?」

黛さんが言う。

その言葉に。

「いいとこつくじゃねぇか、黛!」

どこに隠れているのか。

矢崎の声が聞こえた。

「機関だっていつまでもてめぇら脱走者に頼らなきゃいけねぇ訳じゃねぇ…手持ちの覚醒者が逃げちまったなら、新しいのを作ればいいんだ…一人死んで二人逃げたなら、新しいのを五人作ればいい。簡単な計算だろ?」

そう言って矢崎は誇らしげに言った。

「そいつらは機関が新たに作り出した、『量産型覚醒者』だ」