南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

「そこのジローズでいつものバーガー食べよ。お腹空いてんやろ?」


誤魔化(ごまか)したつもりが薫には聞かれていた。
       お腹が鳴る音。


   『ジローズ』とは…


   島に一つしかない都会で言う
     ファミレスみたいなとこ。



    それでも夜の10時には閉まる。


オーナーが『栗洲(くりす)次郎』って
   托の叔父さんだからこの名前。
   余りに安直(あんちょく)過ぎて
    ツッコむ気にもならんって
    薫が昔からよく笑ってた店。


「おばさーん、こんばんは」
「あら、薫ちゃん?今日は托ちゃんは?」
「お留守番と子守。」


「え…もしかして…未来ちゃん!?」
「そっ」
「おばちゃん、お久しぶりです」
「高校ん時以来じゃなや。えろうベッピンさんになって、母ちゃんそっくりになってきたなあ」


「ジローズバーガーとコーラ二つ。」
「あいよ!」