南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

 感情のまま亮の胸倉を掴み壁に押し付け顔を寄せて睨む。


 それまでの温厚な市川からは想像もできないその豹変(ひょうへん)ぶりに驚き、どもり始める男。



「な、な、何したって…」

「情け無い男よね、アンタって。自分がやったことの責任もとれない…人間として最低のクズよ!」


「こんな今でもね、冬ちゃんがどんな気持ちでいるか…」


「少しは分かれよ!分かろうと努力しなよ!」


   ーーえっ…冬ちゃん?
   未来さんのことよね?

   ーーそうでしょ。昨日から休んでるし…

   ーー未来さんに何かしたのかな…アイツ。

   ーーそうでしょ…



 会議室の外の壁に寄りかかって聞き耳を立てる雫と茜。企画部内は騒ついていた。激しい物音とともに入って来たのは亮。