南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

最初に口を開いたのは亜紀。



   その声は込み上げる怒りの感情を
     懸命に抑えているのが
    誰の目からも明らかな声。
       そして震える声。



「アンタ…なんでここに呼ばれたか分かってるわよね?」


「えっ?なんでなんすか?」
初めは強がっているのか、いつものチャラい返事。


それでも目の奥は
   どこか(おび)えているように
  瞳孔(どうこう)が開きかけていた。


「マジで言ってんのか、亮!テメエなあ、あんな卑劣(ひれつ)なことしといて誤魔化(ごまか)すんか!えーっ!?」


 それまで抑えに抑えていた市川の感情が激しく吹き出す。


「サンジさん、怖いっすよー。」