南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

准がいた最後の年の高校の文化祭で
  出した焼きそばの屋台の中で
 貴方がわたしの肩を抱いてくれた
   ただ一枚残っている二人の写真。


「担当、未来になったよ」
「どうして販促のアタシが企画部の担当なんかになるのよ?」



「亮が企画したやつなんだけど、その亮が『この島のことは未来が一番よく分かってる』からって言い出して、それで」



「どうして亮がアタシを?」
「マジで言ってんの、それ?わかりきってるじゃん。未来と結ばれたいのに決まってるじゃん!」



グラスに注いだワインを一気に飲み干す。