「あのね…冬ちゃん…アタシも初体験は望んでいない相手とだったの。」
チーフの突然の告白にまた意識がとんでいく。


「高1の学校の帰り道、若い男数人に襲われて回された。その時に負った傷は何年も消えることはなかったわ。」


     ホテルのベッドに
横になったアタシの髪を撫でてくれながら
    時折、声を詰まらせたチーフ。


   そしてアタシの目からも(あふ)れ出した涙。



「今の未来ちゃんのように男ってもんが信じられなかった。」


「今でも完全になくなってはいないと思うけどね…それでもね…こうやって人に話せるようにはなった。」