南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

 小走りに追いかけても追いつけない。

立ち止まって見上げると、ホテルのエントランスのその両側には高さ5メートルはあろうかという程の二体のサンタクロースが訪れたお客様を迎える。

 そして白い円形の門をくぐるとそこは南国の樹木のオブジェに囲まれ、その雰囲気に包まれたエントランスクローク。そこでホテルの副支配人と広報の女性が出迎えてくれた。すぐにビジネス顔に変わるチーフと課長。


「ようこそ、ファイブシーズンズホテル、ラバーズクリスマスの副支配人の神林(かんばやし)です。」

「当ホテルの広報の内田です。」


「株式会社HIDの第一営業企画部の市川です。」
「チーフの黒木です。」
「企画担当の梶原です。」
「企画の冬月です。」
「企画の白井です。」


「それでは早速(さっそく)館内をご案内させていただきますね」と広報の長身でモデル体型の女性が微笑んだ。


 まず最初に案内されたところは、地下3階にある吹き抜けになったツリー広場。晴れた日ならツリーを見上げると星空との競演が見れる。


   そして…雪が降ればーーーー
  ツリーに積もって行く雪との競演。


 広場の中央にある高さ25.8メートルの巨大ツリーがわたしを異空間へと連れて行ってくれるーーーー

     そう願った。