南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

「お帰りーーーっ!未来!」
その声に合わせるように下がっていくタラップ。仕事を始めて最初に下りるタラップ。

「ほら、冬ちゃんが先に行かないとアタシ達行けないでしょ。」
と優しく背中を押してくれたチーフ。

込み上げて来る涙と昔の記憶。
「未来!お帰り!」


島に帰って来たのは就職する時以来、5年ぶりの2回目。アタシに抱きつく薫もいつになく泣いていた。

 托も後ろにいたお父さんとお母さんも目を潤ませていた。いつも明るく元気なお母さんが「お帰りね。」と一言だけしか言わなかった。言えなかった。

お父さんの目は見る見るうちに光るものに(あふ)れた。アタシのすぐ泣くところはお父さん似。


「元気そうだな。」
そう抱きしめてくれたお父さん。