南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

「でもじゃないって!どうせアンタのことだから、准がおらんくなってずーっとグジグジするんさ!」


「ちゃんと自分の気持ち、准に伝えんかったら准も誤解したまんまさ!ほら!行くよ!」


そう言ってわたしの手を引っ張って走り出した。


 涙も止まらないままアタシは薫に引き()られるように島の砂利道(じゃりみち)を走った。


ーー准…好きなんよ…ホントは何処にも行って欲しくないんさ!


   その日の前日ーーー
    准が島を出ることを
    薫に聞いたアタシは
  准の家にそれを確かめに行った。


夕闇迫る島の風はまだ生暖(なまあたた)かく二人を包み込んだ。


ーー准…ホント?


   ただ頷いただけの准。
   その場に静かに横たわる沈黙。
 そしてゆっくりと話し出した貴方。