南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

 その時だった。大きな音を立てて玄関ドアを叩く音。そして聞こえる薫の叫び声。


「ねえ!未来!いるんでしょ!ねえったら!」

「アンタ!いい加減にしいさ!」


そう怒鳴りながら玄関のドアを思い切り開けるとバタバタと階段を駆け上がる足音。部屋のドアを蹴飛ばすような勢いの薫。


「ほら、行くよ!」
「…」
「もう30分しかないんさ!もう准に会えんかも知れんとよ!それでもいいん!?アンタ!」

「ねえって!」
「でも…」
それでも泣いてばかりで動こうともしないアタシの頬を叩いた薫。