南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

課長は椅子の背もたれに深く寄りかかり
長い脚を組みながら
「何が寄せてるって?」と窓一面の青空に目を微かに細めた。



「聞いてたんですか?」
「聞いてないよ。聞こえたの」



一口コーヒーを含み「サンジのこと?」と今度はわたしの目を見たその目はどこか准に似てた。


「ワンピース好きなんですか?」
「まあ昔はよく読んでた。未来ちゃんはワンピースの中じゃ誰推し?」

「アタシですか?ルフィかなあ」
「茜ちゃんは?」
「え?アタシもですか?」


「んー…チョッパーです」


「なんだよ、サンジじゃないのか、二人とも。せっかく寄せてるのに。」



アタシと茜ちゃんが同時に課長を見た。



「え?何、何?」
課長が慌てる素振(そぶ)りを見せる。

「課長もそんなこと言うんですね。ギャップ萌えですね」
「そう?…冗談だよ。」