南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

「未来でいいよ。アタシも茜って呼び捨てにするからさ。」
「そうですか?…でも未来ってさあ…几帳面だすよね。」
「だす?」
「慣れないからまだ『未来さん』でもいい?」
「いいよ。風大左衛門(かぜだいざえもん)真似(まね)かと思った」


キョトンとした目でわたしわ見るその顔も可愛い。


「かぜだいざえもん?」
「あ、いい…気にしないで。オヤジギャグだから」


 会社は六本木ヒルズ森タワーの35階にあった。アポは当然取ってはいてもこんな場違いなところなんかこれが最初で最後ーーーーーだろう。

 そう思えるだけに緊張で足が震える。三人の中では一番の年長者ということでアタシが前面に出るしかなかった。