南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

「えー、初日が120名、二日目が593名、三日目の昨日が2014名になってます。」

「アクセスはまあまあ。その何パーセントが成約に結びつくかよね。」

「成約率1.3パーセント目標。10万アクセスで1300人の成約。いい!?」
「はい」


 会議はピーンっと緊張が程よく張っていた。それもこれもチーフの力量に他ならない。

 初日はとりあえず亮と茜ちゃんと3人で東京のファイブシーズンズホテルの東京本社に挨拶(あいさつ)に行くことに。


       気が重い。


 奴と二人きりじゃないのが唯一の救い。さすがにチーフが気を遣ってくれた。


茜ちゃんーーー
白井茜。わたしの一つ下のややポッチャリした可愛い子。まだ20を少し出た感じで髪はショートボブ。ボーイッシュな元気な女の子って感じ。


   とにかく彼女の笑顔は満点。


 茜ちゃんがわたしに気を遣ってか一人先を歩く亮をチラ見して「未来さんも大変ですよね。アタシもあのタイプは無理。」と共感してくれるのは正直言って嬉しい。