南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

「それから俺が『いいよ』って言うまで開けちゃダメだから。」


「うん…分かった。」


    アタシは上を向いたまま目を閉じて
       じっとその時を待った。


    するとあなたの両手が
      アタシの顔に触れ、
     ゆっくりと顔が近づいてくる。


寒いクリスマスの夜…
   あなたの唇がアタシの口を塞ぎ、
    不思議なことに閉じた(まぶた)の奥には
    涙が溢れてきていた。


    涙で何も見えないくらいに。
     明日が見えなくなるくらい…
       涙が溢れた。



      ーー嬉しすぎて…
      ーー心臓が破裂しそうで…
      ーー悲しすぎて…


      ーーまたあなたに
    しばらく会えなくなることが
        悲しすぎて…
      ーー涙が溢れて…


    ーーアタシの思い出のキスは
       涙色、涙味だった。






      ーー永遠に世界がこの時間で
        止まればいいのに…