南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

准の顔がよく見えなかった。



   ーー准…愛してる

   ーー未来…いつまでも幸せでいような



  ぼんやりとなる視界の向こうで
    准が指輪をアタシの左手の薬指に
       ゆっくりと通す。


  そしてアタシが准にも指輪をつけようと
     准の手を見ると、
    左手の薬指にはもう同じ
     ドルフィンリングがされていた。



    ーーーーPM10:07



「それでは誓いのキスを」


    准がベールをあげ、
   スローモーションみたいに
     二人の距離が短くなり、
       二人の唇が重なると


   それまで息を飲むように
    静寂の中、二人を見つめていた人々の
     祝福の拍手と歓声に包まれる。



      恥ずかしさと嬉しさと
  いくつもの感情にぐちゃぐちゃになる心。
    准のスーツの襟を掴んで
       顔を伏せた。