基本、真面目過ぎるって昔から言われてきて確かにそういうところもある。結婚もしていないのに…結婚する気もないのに身体を任せるなどわたしには無理だと思ってきた。

どれだけ堅物扱いされてもそれは変わらない。幼馴染の托にも、多少は亮のようなところがあったけど…奴の場合はまた托とは違う。

   托は田舎者(いなかもの)のチャラさ
  ヤツは都会の突き抜けたチャラさ。

    わたしにはマジで無理。

 これからヤツとあの『クリスマス企画』を担当するかと思うと酔ってもいないのに無性に吐き気がする。

 企画部の部屋に入ると5つ上の黒木亜紀先輩がわたしを手招きした。

    先輩はわたしの憧れ。
   テキパキ仕事もこなし
    きちんと恋愛して結婚もして
   優しい旦那さんとの間には
     可愛い子供も二人いる。

幸せな女性を絵に描いたようだった。