南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

未来と薫が準備している頃。


「托、ごめんな無理言って。」
「気にすんなって。あれで薫も結構楽しんでたし。じゃ、お前にも…」


 小さな白い花を自分のポケットから取り出して俺の黒のスーツの胸ポケットに刺して目頭を熱くする托。涙もろい性格は小さな頃から変わってない。


「お前これ…」
「さっきホテルの中の飾ってあるやつからとってきた。」


「まずくねえか?」
「大丈夫だって、これくらい。俺、時期、この島のドンなんだからさ。」


二人でグラス片手に海を見ていると


「准!用意できたよ!」


と、薫に手を引かれ未来がウエディングドレス姿で、色とりどりに変わっていくホテルのクリスマスの飾りの中に立っていた。



振り返った俺は言葉を失った。
それと同時に込み上げる涙。


   ーー未来…
   ーー綺麗だよ…今までで一番…


「お前たちお似合いだよ」
托が俺の背中を押した。