––––非通知?



通話ボタンを押すとそこから聞こえてきたのは准の声。



「もしもし…お嬢さん、そんなとこで泣いてちゃだめですよ!通行人の邪魔になりますから。」


と訳のわからないことを話し出した。


「准!…准だよね!?」
「遅い!未来!20分の遅刻!」


「どこ!?どこにいるの?」
「未来の後ろ」


 スマホを耳にあてたまま振り向くとそこには准がいた。しかもちゃんと黒のスーツで正装した格好で…。


    ––––准…よかったあ…
    ちゃんといた。


 緊張から解放されたからなのか、
   涙が止まらなくなっていた。


  准の後ろには薫も托もいて、
    アタシを白い目で見てた。