その日は、フェリー乗り場でみんなを出迎えはしたけど…懐かしい顔ばかりで嬉しくて…アキ姉も少し目を潤ませていた。


それでも雫はやっぱりアタシと目も合わせようとはしなかった。


その日はみんな準備で忙しく、それだけで終わり、フェリー乗り場から帰ってまた…


 一人でずっと准のことを考える。行き先の見えない山手線にずっと乗っている感じだった。



   ーー逢える?
   ーーよね?



   ーーお願いだから
   『うん』って言ってよ…准。



眠れないまま24日の朝を迎えた。