「アーっ!」
ラムネの瓶を口から離したその時、ガラガラっと音がしてわたしは咄嗟(とっさ)に振り向いた。

視線の先にいたのは都会風のイケメン。

「ん…?えっ?ウソ…」

その時はまだ自分の目が信じられなかった。

    それでもあれはーーーー。

   薫と電話で話して急に
   昔のことを思い出した。
 まだ頭痛が残ったままコーヒー片手に
  本棚の写真立ての横に置いている
     昔の日記をまためくる。



今見返すと我ながら恥ずかしくなる。
  当時流行(はや)っていた文字を
 ただ真面目なだけが取り柄だった自分が嫌で
  無謀にも挑戦した都会のギャル文字。


ーー未来の字ってさあ…真面目さが(にじ)み出てるよなあ。


そう言われるのが嫌で頑張った結果がこれ。
    後悔先立たずとはこのこと。