南の島のクリスマス(十年目のラブレター)

 タバコを自分の灰皿で消すとてっぺんにある少しだけ広くなったところにわたしを引き上げた。


「あの島って女神島(めがみじま)って言われてるの知ってる?」
「そうなのか?」
「うん。」


「島を上空から見るとアメリカの自由の女神に見えるんだって。サイトで見た。


「ふーん」と言ったきり話さなくなった准がアタシの肩を抱いて「俺には未来が女神だから…どうでもいいや」と空を見上げた。


  抱き寄せられた准の手の力が
   心をしめつけられたと思うと
    准の顔がアタシの顔に
      近づいてきた。





     うそ…


   あまりに突然のことに
    目を瞑ることも忘れ…


どのくらい…開けたままだったろう。


   今の状況を理解して
    ゆっくりと目を閉じて
     准の首に両手を回す。


   准の唇はあったかかった。
     未来の唇は柔らかかった。


「好きだよ…未来。」
「アタシも…。」

「これ…ファーストキス。」
「うん…」


   嬉しいはずなのに…
    なぜだか…涙が止まらない。


    だから…
何度も何度も「好き」を繰り返した。
  何度も何度も「キス」を繰り返した。