2020年12月18日ーーーー
カウントダウン二日目




    ーーアタシの願い…


    ーー叶うのかな…?


 准はゆっくりと立ち上がると波打ち際まで歩き、砂浜に転がっていた小さな石を投げ始めた。石が水面を滑るたびに月明かりが(きら)めいた。


「でもさ…」
「ん?」

「未来って全然変わらないよな」
「それ、どういう意味?アタシが全然、綺麗になってないってこと?」


「違うよ。」
「どう?」
「小さな頃から、いっつも托に(いじ)められてすぐ泣いてた。そんなとこがってこと…。」


 未来はちょっとだけ()ねたように足元にあった小石を拾い上げると俺に投げつけた。


「悪かったわね!」
「いてっ…。」


 准は仕返ししようともせず…ゆっくりアタシの方を振り向いた。


「何!?」
「別に…。」

「何!?気持ち悪い、そんなの。」
「未来は相変わらず可愛いなってこと。」


「何か変。」
「何が?」
「どうしたのよ…仕返しもしないで。昔ならムキになってたのに。何か…准も変わった。大人になったみたい。」


「そりゃあね、もうすぐ27だし。」
「でも…何かいやだなあ。」


「何が?」
「准が遠くに行っちゃうみたい…。」