2020年12月17日ーーーーーー
   島に帰って来て2ヶ月。
     その間、考えたくなくても
  ついつい准のことを
  伝説の日のことを考えてしまっている
       自分が嫌。


   どんなに思ってみても…
     准には届かない…
      そんな気持ちと
    何処かでまだ期待してる気持ちが
    入り混じって喧嘩してる。



その日…
わたしは准の夢を見ながら目を覚ました。





       12月17日––––––
   伝説の日まで1週間に迫った夕方。



   日本一美しいと言われる冬の日の
     夫婦岩の夕日を背にして
      十数年ぶりに
 薫と托、それにアタシの3人で砂遊びをした。


   ただ一人だけこの場所に欠けた人。
       それは…あなた




      准だけが足りない。


        逢いたい…
    あなたに逢いに行きたい。



「未来…何かまた考え事してる。」
「何かって?」
「准のことに決まってんでしょ!バーカ。」


「み〜らいっ!」
托に名前を呼ばれ振り向いた途端(とたん)、わたしの顔に砂団子をぶつけた托。


「あいたあーーーーっ!托のくそーーーーっ!」
わたしが反撃して托めがけて投げた泥団子が、それをかわした托の後ろにいた薫の顔に命中した。


「あーはははっ…日頃、俺をいじめるからバチが当たったんだぞ、薫!」


 その言葉にキレた薫が托を追いかけ、托はわたしを追いかけた。でもわたしが急に立ち止まったことで、ドミノだおしのように折り重なるように倒れた三人。