托に抱きかかえられて二階に運ばれた未来。そして二人は未来をベッドに寝かせてしばらくその様子を見ていた。


「でも…未来…どうしたんかな?なんでアタシん家の前なんかで気絶なんかしてたんかな?ね…托」

「ああ…わかんね」
「アンタね…考える気ないっちゃろ?どうせ。」
薫の右の鉄拳が托の頭に届こうとした時


   ーーう〜ん…准…
   ーーちゃんと…あった…
   ーー…カードも…


と寝言を言った未来。



「何だよ!全くいい気なもんだぜ。准のこと考えてるぜ。」

「何が『ぜ』よ!アンタ田舎もんなんだからね!都会っ子の真似(まね)なんか中途半端にせん!似合うわけなかろ!」


「はい…」
いつものように薫にめちゃくちゃに怒られてへこんでいた托。


「でもさあ…さっき(うち)に電話してきた男…何か准に声が似てたような。」

「何言ってんだよ、薫まで。准が島にいるわけねえだろ!」


「准は横浜だぜ!」
「ほら!『ぜ!』」
「まだ入院してるって親父がこの前言ってたし。そんな訳ねえって。」