あなたの願い、残酷に叶えます。

「なにしてんだ。山に帰れ」


男がシッシと手で追い払う仕草をする。


それは田畑を荒らす野生動物へ向ける目になっていた。


あたしは害虫。


この家を荒らす存在。


この家から排除しなきゃいけない存在。


それなら自分から出て行ってやる。


絶対に戻ってくることはないだろう。


でも、その前に……。


あたしは引き金に指をかける。


目の端で女がうろたえたのがわかった。


しかし、男はまだ笑っている。


その笑った顔に、あたしは銃弾を発射した。


バンッと大きな音が響き、体に強い衝撃が走る。


しっかり支えていたはずの銃が手から落ちそうになり、慌てて抱え直した。


続いて男の額から煙が上がり、そのまま後方へと倒れこんでいった。


それはまるでスローモーションだった。


今まで生きていた人間が、この瞬間に死んだ。


まだ暖かな血を持っている死体はゆっくりと崩れ落ちていく。