あなたの願い、残酷に叶えます。

「あたしは信じていたのに……」


震える声で言うと、女が驚いたように目を丸くした。


「お前まさか、アズミかい!?」


その驚きようにあたしは首をかしげた。


どうしてそんなに驚いているんだろう。


あたしがあたしだということは、見ればわかるはずだ。


それなのに、女の言葉に男まで驚いている。


不審に感じながらあたしは土間に置かれている木桶に近づいた。


そこに水をためてあることも、あたしは知っている。


木桶の中の自分の顔を覗き込んだ瞬間、息を飲んでいた。


1年間で自分の姿は大きく様変わりしていたのだ。


白かった肌は日焼けで黒くなり、髪の毛も焼けてパサパサ。


顔は土と泥に汚れて、性別の判断もつかないほどだ。


14というまだ若いはずの自分は一体どこへ行ってしまったのか。


その瞬間胸が痛んだ。


あたしはこの1年間で多くのものを失ってしまったらしいと、ようやく気がつくことができた。