あなたの願い、残酷に叶えます。

そして改めてノックしようと手を上げる。


その時……。


「あの山賊どものおかげでうちの家は村一番の有福だ!」


そんな声が聞こえてきたのだ。


あたしは動きを止めて玄関を見つめた。


今の声は女の夫のものだとすぐにわかった。


1年経ってもその声に変化はない。


「本当ね。アザミを育てていて良かったわ」


女の声も聞こえてくる。


「いつは堅命に山賊に使えてるらしいな。想像以上の働きっぷりで、こっちにまでおこぼれがくるなんてなぁ」


そう言って豪快に笑う。


その笑い声と、ひげ男の笑い声が脳裏で重なって行った。


きっと男は酒を飲んでいるのだろう。


「山賊がうちにだけ特別んな報酬をくれるなんて話、聞いたことがないわよね」


「あぁ! そのかわりアザミを迎えに来るなだとよ。誰が迎えになんか行くか! アザミのおかげで村の女は全員戻ってきたんだ。親のいないあいつ1人犠牲になるくらい、どうってことないさ!」