あなたの願い、残酷に叶えます。

グッと自分の体に力を入れて、あたしは村に足を踏み入れた。


あたしは帰ってきたんだ。


自分の力でこの村に返ってきたんだ。


ジワリと視界が滲んだのは涙のせいだった。


さっきまで感じていた絶望感や怒りが一瞬の内に消え去るのを感じていた。


畑に人の姿はない。


太陽は沈みかけているから、みんなもう家に戻ったのだろう。


あたしはまた走りだした。


ずっと一緒に暮らしていた女の家へ向けて。


きっとみんな待ってくれているはずだ。


あたしの帰りを喜んでくれるはずだ。


頬に流れる涙を何度も何度もぬぐいながら、ひた走る。


女の家は村の川を超えた場所にある。


一緒に育った兄弟たちは元気だろうか。


下の子たちはあたしがいなくなって泣いていないだろうか。


家にたどり着くまでに、色々なことを考えた。