ゼルダのお見舞いに行ってから三日ほど経った。今日は解剖の予定も少ない。蘭はゼルダに会いに行ってこようかと考えていた。

「おはようございます」

蘭がそう言いながら研究所の部屋に入ると、先に法医学研究所に来ていた碧子が何やら電話を取っている最中だった。

「また解剖の依頼ですか?」

圭介が訊ね、アーサーが「また今日も忙しくなるのかぁ」と覚悟したような顔を見せる。蘭は変わらず無表情のまま、真剣な表情のマルティンと共に碧子の電話が終わるのを待つ。碧子は「わかりました。すぐに準備します」と言った後、受話器を置いた。

「桜木(さくらぎ)刑事から解剖の依頼が入りました」

「わかりました。では、解剖室の準備をします」

蘭はすぐに解剖が行えるように準備をする。解剖の依頼があったご遺体はすぐに到着したため、蘭たちもすぐに着替えを済ませて解剖室へと足を踏み入れた。

「えっ……」

「嘘だろ……」

「そんな……」