「そうですか……。ありがとうございます」

蘭は電話を切った後、「どうだった?」と聞いてくるアーサーたちに対して先ほどゼルダから聞いた話を全て話す。

「ほらな、一番怪しい!!」

アーサーが目を輝かせ、「うるさいぞ」とマルティンに頭を叩かれていた。圭介は「そんな医者、本当たいるんですか?」と驚き、桜木刑事は何かを考え込んでいる。

「蘭ちゃん、ありがとう。その情報をもとにまた調べてみる」

「いえ。これはゼルダが話してくれたことですので」

桜木刑事が去っていく後ろ姿を蘭は見つめる。そしてまた残っている仕事に取り掛かった。



一日が過ぎるのは本当に早い。仕事をしていればあっという間だ。

「お疲れ様」

「二人とも、早く帰れよ」

マルティンとアーサーは定時になるとササッと帰ってしまう。蘭と圭介は「お疲れ様です」と言い、また仕事に取り掛かった。

今日は碧子は講演会のため、朝から不在だ。そのため、蘭は家に帰っても一人である。