嬉しさと涙で震える声で私は、

「…私、初めてここに来たとき、オーナーに一目惚れだったんです。それで、その…オーナーの側にずっといたくて、オーナーに嫌われたくなくて、オーナーの頼みならしよう!って決めたんです。そしたらそれがうまくいって嬉しかった」と言った。

背中にオーナーの熱を感じながら。

「…ほんとか?アイツ来てからアイツと仲良さそうだし、最近特に仕事終わってから2人で一緒にいたりしたから、オレてっきり付き合ってるんだと思ってたんだけど…オレの勘違い?」とオーナーは言う。

「…はい。勘違いです。確かに、史也くんに告白されたりはしたんですけど…断りました。私が好きなのはオーナーなので…」と私が言うと、

低くかすれたような声で甘く私の耳元でオーナーは囁く。

「…ありがと、聖夜…」って。

私はその声にゾクッとして一瞬、体がビクンとなった。

いつもイヴちゃんって呼んでるクセにこんな時だけズルい。

「…大好きだよ?」って耳元で呟くオーナー

「…私は愛してます…」と言ってしまう私。

「…じゃぁ…オレの女になってくれるよね?」と言われた。

私はコクコクと何度も頷いた。

「…良かった。ねぇ、こっち向いて顔見せて?」とオーナーは言うと、私をオーナーの方へ向ける。

そして、優しく私の涙を拭って、

キスをしてくれた。

甘くて熱いとろけそうなキスだ。

息継ぎがうまく出来ないほど、長くて、濃厚なキスだった。

「…んっ…あっ…んん、はぁはぁ…オーナー、もぅ、らめぇ…」

私の口から漏れるのは、粗めの息と言葉にならない言葉。

けど、オーナーは嬉しそうに、

「足りない…」そう言って私へのキスを続けた。

私はあまりにも良くて立っていること辛くなり、オーナーに体を預けた。

そしたらオーナーが、私から口を離し、

「…悪い。ちょっと調子乗りすぎたな」と言って抱き締め直してくれた。

そして、「これから二人の時は、オーナーじゃなくて名前で呼べよ?」と言われた。

私は照れながらも、オーナーの名前を呼んでみた。

「…敦さん…」って。そしたらオーナーは嬉しそうに頭を撫でてくれた。

「それから…仕事だから、仲良くするなとは言わないが…あんまり楽しそうに史也としないでくれ。オレもやっぱり妬いちまうから」と言われた。

私はその言葉がただ嬉しくて、

はい。と笑った。

しばらく抱き締められてた私だけど、

「そろそろ落ち着いたか?」とオーナーは私を離してくれた。