「さてさて、陽依ちゃん!!」
「は、はい」
真正面に座った幸花ちゃんが食い気味に、興味津々って顔をして。
「最近何かあったでしょ!」
「へ!?」
「ため息ついてること多いし、上の空っていうか、ボーッとしてること多いもん!」
「うぇぇ、そうかな」
「そうだよ!ほら、さっさと吐いてラクになっちゃいなよ、お嬢さん!」
たまに幸花ちゃんのキャラがつかめなくなるときがあるよ。
「い、いや……別にそんな大したことはないんだけど……。なんか変な王子様に絡まれちゃって」
「変な王子様??」
最近あった月希先輩とのことを話した。
月希先輩の名前を出したら、幸花ちゃんは「あぁぁぁ、あの有名な久城先輩ね!」と、なぜか知ってるみたいだし、なんか有名みたいだし。
この前、放課後にあったことを簡単に話したら、幸花ちゃんは目をキラキラ輝かせながら。
「そ、それは恋の大チャンスだよ陽依ちゃん!!」

