慌てるわたしを差し置いて、リボンもほどいてブラウスのボタンも上2つくらい外されるし。


「あー……、陽依ちゃんって、純粋そうに見えてじつはそーでもなかったりする?」


「へ……っ」


「首のところ……紅い痕がたくさんついてるね。これ、誰がつけたの?もしかして彼氏?」


「か、彼氏いない……です」


「じゃあ、こんなところに痕をつけさせる相手がいるってことだ?」


「うっ……そんないろいろ聞かないでください」


「気になっちゃうなあ。教えてくれないなら、この痕を僕がうわがきしてもいいんだよ?」


まるで獲物を狙ってるオオカミみたい。

さっきまでの優しい王子様みたいな先輩はいなくて、瞳がちょっと……ううん、本気に見えてくる。


だって、覆い被さってる先輩が今にもガバッと襲いかかってきそうな勢いだもん。