「今から何するかわかる?」

「……?」


「んじゃ、目つぶろっか」

「えっと、こうですか?」


「え」

「え??」


すんなり言うことを聞いたら、なんでか戸惑ってる声が聞こえる。


「ずいぶん従順だね。さっきまでの警戒心はどうしたの?」


「だって、先輩が言ったから」


「うん、そうだね。でもね陽依ちゃん、いま僕に食われそうになってるのわかる?」


あれ、なんか変な言葉聞こえてきた。

パチッと目を開けたら、なぜかクスクス笑ってる先輩。


「く、食う……。先輩はライオンですか」

「え?」


「お腹空いてるんですか?」


ポカーンと口を開けたまま。
まさに、物珍しい何かを見てるような目で。



「ふっ……ますます気に入っちゃうなあ。陽依ちゃんは天然ですか?」


「えっと、これは巻いてます」


「え?」

「髪のことですよね?」